子供の問題

親権

07親権とは、未成年の子に対し、監護及び教育をする親の権利義務のことです。

親権者は、居所を指定したり、懲戒したり、職業を許可したり、身分上の行為を代理したり、財産を管理する権利を持ちます。

離婚するときには、父か母のどちらか一方を親権者と定めなければなりません。

親権者をどちらにするかは、子の利益及び子の福祉に適うか、という点から判断されますが、裁判では次のような基準が総合的に考慮されます。

1.母性優先の基準

乳幼児については、母親の監護養育にゆだねることが子の福祉に適うとされています。
もっとも、「母親」は生物学上の母親ではなく、子との母性的な役割を持つ監護者であると考えられています。

2.継続性の基準

現実的に子を養育監護する者が優先するという基準です。

3.子の意思尊重の基準

概ね10歳前後の子であれば意思を表明する能力に問題はなく、子の意思が尊重されます。
もっとも、子が真意に従って発言しているかは慎重に検討する必要があります。

4.きょうだいの不分離の基準

乳幼期のきょうだいを分離すべきでないとされています。

5.面会交流の許容

子に他方の親との面会交流を認めることができるかどうかも補充的な基準とされています。

6.奪取の違法性

子を奪取すること自体が親権適格に問題があると判断される場合があります。
 
なお、親権者でない親も親子の関係がなくなるわけではなく、相続する権利や、お互いに扶養する義務は、離婚後も変わりなく存続します。

面会交流

親権者・監護権者ではないため、子を監護教育することができない親が、子どもと会ったり、手紙や電話で交流することを面会交流と言います。

離婚しても親子の関係は継続しますし、親と面会することは子の身心の成長に有益であると考えられますから、別居親と子の面会交流を認め、子が、同居していない親に会う権利を保障しなければなりません

法律上、父母が離婚する場合、面会交流するのに必要な事項について定めなければなりません。
面会の場所、時間、面会回数などを決める必要があります。

養育費

離婚しても親であることに変わりありませんから、別居している親も子を扶養する義務があります。
別居している親が扶養のために子に支払う費用を養育費と言います。

調停や訴訟の場では、多くの場合、「簡易迅速な養育費等の算定を目指して―養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案―」(いわゆる算定表)に従って計算されます。
算定表を使うと、子の数、年齢、養育費を請求される側の年収、養育費を請求する側の年収によってほぼ機械的に養育費を算定できますが、個別事案によって修正が必要です。

一旦協議離婚、調停離婚、審判で養育費の金額を決めた場合でも、後に事情の変更が生じた場合には、養育費の増減を請求できます。
当事者間で折り合いが付かなければ、養育費の増減を求める調停を申し立てることになります。

離婚の際に決めた養育費を相手方が支払わない場合、家庭裁判所に「履行勧告」や「履行命令」を申し出る制度があります。
ただし、相手がこれに応じなくても、支払を強制することは出来ません。
そこで、相手の不動産、預貯金、給与を差し押さえるため、強制執行手続きを取ることを検討するべきことになります。
調停や審判の調書がある場合、公正証書で養育費を定めた場合、訴訟で判決を得た場合に、強制執行ができます。


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