交通事故後に行う証拠のこと

広島の弁護士、齋藤法律事務所です。

民事の損害賠償を有利にすすめるためには、証拠の確保が必要です。

交通事故時の衣類、ヘルメット、靴などは必ず保存しておいて下さい。
また、事故車両そのものも保管しておければ望ましいですが、難しいならできるだけ多く写真を撮っておいて下さい。
交通事故現場についても、可能であれば、タイヤの痕、飛び散ったものなどの写真を撮っておくとよいと思います。
なお、ABSの普及で、最近はタイヤ痕などは残らないことも多いようです。
人身事故の場合、衣類等、車両等、現場路面等は警察でも捜査し、記録を取りますが、捜査状況によっては必ずしも被害者の思うような内容にならないことがありますから、できる範囲で被害者も証拠を確保しておくべきです。
物損事故の場合、建造物にぶつかったような場合を除いて、過失の器物損壊罪は罪にならないという理由で捜査が行われません。物損の場合、自力による証拠の確保がいっそう重要です。

また、警察、病院、損害保険会社、加害者などとのやりとりもできるだけメモに残しておきましょう。
人の記憶は不確かですから、日時を明記し、その時々の出来事を記録しておく必要があります。
例えば、付き添い費用の請求などは、医師の指示がないと認められない場合がありますから、医師との会話を証拠化することも重要です。
なお、医師は、患者を治療するためにその時々で必要性の高い検査、治療を行っているので、その時にあまり重要ではないと思われる症状については検査も行っていない可能性があります。そのこと自体は治療という観点からは当然のことですが、後に損害賠償の話をするときに、存在するはずの症状が診断書に書かれず、事故との因果関係を否定される可能性があります。医師の機嫌を損ねない範囲で全身をくわしく検査してもらうことをお願いしてもよいかもしれません。
事故によって頭を強く打った場合、脳全体がダメージを受け、人格変化や記憶障害、麻痺等の高次脳機能障害といわれる症状が残るかも知れません。高次脳機能障害の診断にはCT,MRIなどの画像が必要ですので、ご家族の方が医師と相談し、定期的に画像を撮影しておくとよいと思います。

支出について、医療費、交通費、ヘルパー代など、事故によって生じた経費などの支出は、必ず領収書を保管し、記録しておきましょう。

さらに、被害に遭われたのがご家族の方の場合、被害家族の様子を随時記録して日記をつけておきましょう。
被害者の方の事故前との違いや変化はご家族の方がもっともよく把握されているでしょうから、ご家族の方の記録が重要になる場合があります。

交渉や訴訟においては、保険会社や裁判所を説得しなければなりませんから、証拠の確保が重要です。
大変でしょうが、できる範囲で証拠の確保に努めてください。

広島 齋藤法律事務所 弁護士齋藤有志

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